私の悪態の中に、愛を汲み取っておくれよ

 私は口が悪い。

 勿論、話す仕事をしているので、敬語にはそれなりの自信があるけれど、気の置けない友達に対しては、ラフプレー過ぎる言葉を使う事も少なくない。

 今日は、仕事でヒロキのお別れ会に参加出来なかった。私はいつも、ヒロキについては悪口しか言わないけど、それは彼が美形だからだ。美形が故に不当に愛され、そして性格が悪いんだから、褒める必要なんてないでしょう。

 《歪んでいない生活》と言うものはどういうものか分からないけど、最近の私の生活は間違いなく歪んでいる。受け入れてはいるものの、乖離していく感覚から逃れられる事はない。「愛されたくない」と言いながら、「愛されたい」と思っている。殆どの人がそう思っていると思うけど。

 今月は、個人的なクレームメールが多かった。もう一度書きましょう。私は口が悪い。だけど、私の悪態の中には、愛がいっぱい詰まってるんだよ。自分で言ってしまうけど、私って結構愛情が豊富なんだよ。それを汲み取って欲しい。解ってくれないなら……、もう、私の側に居なくていいよ。空しいだけなのさー。

 普段の私の態度からしたら、今夜、ヒロキに電話するなんてあり得ないけど、仕事が終わって23時半、「お疲れさま」なんて電話してみた。泥酔してると思ってたのに、全然酔ってなかった。大人みたいな口調でちょっと驚いた。まぁ、ヒロキもいつの間にか30歳だものね。そして、初めて会ってから、気付いたらもう8年くらい経ってるんだものねぇ。もっとかなぁ? 学生アルバイト先のカラオケ屋に遊びに行ったっけねぇ。

 その後、24時を回っていたけど、My favoriteに電話してみた。不穏な話題の中、携帯の電池が途中で切れたのに、「歩いてるみたいだったから(切れても)気にならなかった」って。どんな理由だよ。ちょっと笑った。そして、最高に優しい声で「おやすみ」って言われて、いい夜。

 優しさが巡回してるのかなぁ。