ブロガーサミット 2013@ベルサール渋谷ファーストに参加した

 LIGの竹内さんがFacebookで話題にしていたので知った『ブロガーサミット2013』

 “2013年は、日本において主要なブログサービスがはじまって10年という節目です。”と言われて、「え? もうそんな?」と思ってしまったが、「ブログって、書くのが楽そう。色々あるけどどれがお薦めかなぁ?」と私が松村君に聞いたのが2003年秋頃。そして、ここはてなダイアリーを始めたのは2004年2月。……間違いなく10年経ってますね。ジュモーだって、とっくの昔に結成10年迎えてるんですから。

 そう、私もすっかり昔の人。会社で「ブログはビジネスに直結する。これからはYouTube。うちもビデオブログを今後コンスタントに発信してくから」と言われるも、正直「はぁ……」という感じ。この10年の振り返りも面白そうだし、パネルディスカッションのタイトルを見ると、きっと何かビジネスのヒントになる事が聞けそう。それに魅力的な有名業界人が登壇者として27名も、入れ替わり立ち替わり出て、楽しい話を聞かせてくれるのを“無料で”聞けるなんて! これはもう行くしかですよ! 

 しかし最近の私と言えば、すっかり TwitterFacebook > 会社のblog > mixiはてな という更新頻度。そんな状態なのに、このイヴェントに「ブロガーです」なんて名乗って参加していいの? なんて思ったけど、募集要項に“極端な話、今日ブログを開設して頂ければ、無料で申込が可能です。”とあったので安心して申し込み(苦笑)。

当日タイムスケジュール

13:00〜 オープニング (徳力基彦氏)
 
13:20〜 パネルディスカッション1 「ブログ〜この10年〜」 (モデレータ:中山記男氏)
  パネリスト:清田いちる氏、岡田有花氏、Otsune氏、佐々木 大輔氏
 
14:10〜 パネルディスカッション2 「個人ブログからブログメディアへ」 (モデレータ:徳力基彦氏)
  パネリスト:新野淳一氏、村井智建氏&宮下泰明氏、伊藤春香(はあちゅう)氏、堀正岳氏
 
15:10〜 パネルディスカッション3 「ブログサービスの近未来」(モデレータ:四家正紀氏)
  パネリスト:貝塚健氏、寺崎宏氏、関信浩氏、吉田健吾氏
 
16:00〜 パネルディスカッション4 「ビデオブロガーの今」 (モデレータ:中山記男氏)
  パネリスト:ジェット☆ダイスケ氏、アリケイタ氏、佐々木あさひ氏、タムカイ氏
 
16:50〜 休憩
 
17:20〜 パネルディスカッション5 「ブログライフバランス」 (モデレータ:徳力基彦氏)
  パネリスト:メレ山メレ子氏、岡田康宏氏、野間恒毅氏、津田大介
 
18:10〜 パネルディスカッション6 「ブログを書くということ」(モデレータ:四家正紀氏)
  パネリスト:コグレマサト氏、いしたにまさき氏、松村太郎氏、粟飯原理咲氏
 
19:00 第二部 ブログ10周年記念パーティー(懇親会21時終了予定)
 

 
 パネルディスカッション(以下PD)1は、タイトル通り懐かし話満載で、パソ通からWeb来た“私は”かなり笑えた(「何の話をしてるのか解らない」とツイットしてる人もいたみたい)。2003年前後の「ディープリンク禁止」、2005年はてなブックマークサーヴィス開始でニュースサイトを脅かす?や、2004年開始のmixi、2007年開始のTwitterが、ブログサーヴィスを凌駕する?など。

 キーワードとして、ステマや炎上にについて。時代によってそれぞれの意味合いが変化しているという意見も面白かった(思い返せば、あの狭い狭いパソコン通信の中でも炎上のようなものは度々起きていて、当時64kbpsでログをダウンロードしていた時代、本当に困ったりしたよなぁ・苦笑)。

 ステマに関しては、今、巷に溢れ帰っていて、若干ズレてるようにしか思えない使い方をしている人もかなり増えて来た感じがする。企業側も、「広告としてではなく(ステマ的表現で)宣伝をして欲しい」という依頼も増えているそう。そう言えば、他の場所でもそんな話を聞いた事があった。

 PD2は、ムードメーカーの「マックスむらい」こと村井智建氏が、いい意味で場をかき回していて面白かった(時間は押し気味になってしまったが)。特に、はあちゅう(勝手な想像よりも数倍美しく、勝手な想像よりも数倍謙虚で好印象だった)への熱いコメントが片思い風で面白かった。

 冒頭の挙手アンケートで、『ブログをビジネスとして捉えて活動している(したいと思ってる)人』みたいな質問をしたとき、殆どてが上がらなかった。そこで登壇者のテンションが落ちるのを私は感じたし、その後、そういう人向けの話は控え気味になったように思う。今思えば、あの時(「パズドラを流行らせたのはAppBankだと思ってる人」という質問にも)、手を上げるべきだったな〜と思うけど、とてもそういう雰囲気ではなかった。観客がもう少し少なかったらか、客席側が若干でも暗かったら違う結果になったのではないかな。

 その中でも、宮下氏が話していたネットビジネスに於いて注意しなくてはいけない「インターネットの闇」についての話は、とても短い時間だったけど実はかなり為になる話題だったと思う。

 ポーランドで開催され、堀氏が最近参加したと話題に出した世界のプロブロガーによるサミット《The World Domination Summit 2013》の話も面白かった。そこでの盛り上がりと日本との温度差は、PD1で最近のブログ(やネット記事全般に対して)語られた「バイク盗んだり窓ガラス壊して回るのがカッコいいのは、学校が揺るぎない権威である間だけ。権威でないものに刃向かうのはカッコ悪い。」という説明にも表れていたと思う。日本人の気質に因るものも大きいと思うけど。

 完全なる余談だが、パネラー紹介の中で、堀氏が「明日から研究のため北極に行く」という話になった時、食らい付いた村井氏に対して、「そこまで真面目な北極じゃないです」と答えていたのだが……、「真面目な北極って?!」とツッコミたくて仕方なかった。

 内容的に一番楽しみにしていたディスカッション、PD4。一番印象的だったのは、佐々木氏の「日本では誰もやっていなかったのでやろうと思った」というコメント。確かに誰もやっていないことをやると言うのは強いと思う。規模はずっと小さいながら、我々も時たま、「誰もそんなキチガイみたいな事をやらない」と言われるジュモーサイトにお礼を言われたりすると、「今は誰もやってないからな〜」と思ったりもする。

 「ブログよりもYouTubeの方が批判的なコメントが多い。マックスむらいなんか、毎日70個くらい『死ね』ってコメントがついてるよね」という話の流れで、徳力氏が、否定的コメントに落ち込んだ時、モダシン氏に相談したら「そんなんだったらブログやめろ。読んでくれるだけいいじゃないか。誰にも読まれないブログでどうする。」と言って励ましてくれたと言う話にじんわりしたんだけど、その直後、タムカイ氏が「『死ね』ってコメントが付くってことは、末端まで情報が渡ってる証拠だよね」という別角度からの名言を出した。

 PD5と6では、「楽しむ事」についてメインに語られてた気がする。夢を言葉にして発し続けると、それが向こうからやってくることがある。黙っていてはチャンスを掴めないよ、みたいな(PD2ではあちゅうも苦労話と共に語ってたか)。ざっくり過ぎか。

 津田氏の「ブログのタイトルは大切。僕のブログ『音楽配信メモ』も、もっと中二病っぽく『クリアーインザスカイ』とかでもよかったんですけど……」発言には爆笑した。あのヴィジュアルで言われたら妙に真実味があるでしょ! やっぱり引っかかるフレーズを持ってくる所が上手い!

 いしたに氏が鞄をプロデュースした時に気付いた「やってから好きに気付く事もある。だからとにかく何にでもどんどん手を出してみよう。」という話の後にした「『子供が生まれたので、お薦めのカメラを教えて欲しい』という質問には『遅ぇよ! 生まれる前に買え! カメラに慣れる前に赤ちゃんはどんどん大きくなるんだぞ!』と答える。」と言う話も良かった。何をするにも、上達するのにはある程度の時間がかかるので、本当に必要になる前に“素振りする時間”が必要だというお話。

 締めの話題の中で徳力氏が、「満たされている人はブログを書く必要がない」という言葉を投下し、私は小さくわなないた(苦笑)。それは自分の特徴のひとつではないか! 「いつでも孤独と闘っていてほしい」というメールをもらったことがある(苦笑)。満たされないから書くというのが発端にあるとして、最終的にブログによって何かが満たされると言うこともないのだ。Otsune氏がTwitterで“「人間には排泄すると快感がある」というのがあって、ブログを書くってのは「脳から文を排泄する」に近いんだけど。ひとそれぞれ排泄を世間にさらして嬉しがるかどうかという変態趣味の有無があり、それでブログが出来るかどうかが分かれると思う。”と書いていて、正にそういうことなんだろう。

 それなりに読み手を意識はしているものの、私にとってはてなダイアリーの大半の意味は備忘録だ(なので時々、他で書いたものを移動してきたりしている)。でも、その先に行かなくてはならないんだよね〜。

 で、このディスカッションが終わって、自分の中の動画配信へのハードルは少し下がった気がしたが、(飼い猫の動画はちょこちょこYouTubeにアップしてるけど)ビジネルでやるとなるって頭に切り替えると……、相変わらず唸ってしまいますが、取り敢えず練習のために何かやってみるかな。

 「ブロガーサミット 2013」は面白かった。こうやって振り返ることはとても大切で、その上で新しいことを探していく指針になっていくんだと思う。朝から食事をする時間がなかったので、ディスカッション後の懇親会で飲んだ黒ラベル(スポンサー)がかなり効いて、翌朝のさだるリハ用個人練習どころではなくなってしまった。前日、関内で食べようと店に入ったら閉店5分前で諦めたケンタッキー(スポンサー)のチキンにありつけて本当に嬉しかった。

 後で気付いたのだが、Twitterハッシュタグで感想だけではなく、空調の要望なども運営側に伝えるように肇から促されていたらしい(気がつかずつぶやいていたが)。最終的に赤字のイヴェントだったそうだが、主催者、ボランティア、一部協賛の細やかなホスピタリティを感じた。徳力さんが「このイヴェントに刺激を受けて、できたらもっと若い人たちがいいイヴェントをやったり、新しいことに挑戦してほしい」みたいなことを言っていた。またそんな機会があったら、ぜひ参加してみたいな。みなさま、お疲れ様でした。


↓メモ