『無言歌』@UPLINK X

 8/3、鈴木祥子さんの自伝映画『無言歌』渋谷UPLINK Xへ観に行った。さだるメンバーは、次回Live会場である7ef(同じく渋谷)へ「揃ってジャムセッションに行こうぜー」なんて時間帯で、私だけ団体行動(なんて普段してないけど)を乱していた。

 映画の前のミニライヴが20時50分だったので、食事をしてから行こうか、となった。最初、「すしだらけ』がいいかと思って、道玄坂小路の薄汚い小道を歩いていたら、店は真っ暗で、ドアに閉店の張り紙が貼ってあった。お手頃価格で、美味しい寿司屋だったのに、とても残念。結局、友人が以前勤めていた、アジア飯屋「GOLDEN BURNING』に行った。頼み過ぎて、残った料理を持っていたお弁当箱に詰めて持ち帰った。

 


 
 UPLINK Xは、駅から歩いたら15分くらいかかるかもしれない、フラリと寄るなんて事はありえないくらいの距離にあった。1階にカフェがあって、整理券番号が33番をもらいながら、「まっすぐ来て、ここで食べれば良かったな」と少し後悔した。とはいえ、寒いけど真ん中辺のいい席に座る事が出来た。

 鈴木祥子さんを生で拝見するのは初めて。ちょっと恥じらいつつ、ゆっくり言葉を選んで話たかと思えば、「そんな事言っちゃいけないか」なんて大胆発言をしては笑い、絶対に撤回しない所が、「おお、Live CDみたい」なんて、変な感動の仕方をしてしまった。この全部で6回あるミニライヴは、毎回テーマを決めて選曲しているとの事。今日は『他のアーティストに提供した曲〜20代編』だった。うっかりメモを忘れて、うろ覚えだが、以下の曲順だったと思う(後で、誰か正しい曲順を何処かで書いてくれないかなーと望みつつ)。
 

 スズキのセルフカバーデイ2 (むかし編)
 
1. PUFFY(吉村由美)「わたしの望み」、2. sinon「海の匂いがする」、3. 金子マリ「椋鳥」、4. Qlair「パジャマでドライブ」、5. PUFFY「きれいな涙が足りないよ」、6. 松田聖子「We Are Love」

 
 私が聴いた事がある曲は、アルバム I was there, I'm hereに収録されている「椋鳥」だけだったが、どれも提供した相手をイメージしつつも、鈴木祥子ワールドも感じさせる雰囲気があった。ナチュラルな雰囲気の裏に、よく研いだ刃物の様な鋭さを隠し持っていた。空気のヴァイブレーションがすごくて、だけどそれよりも気持ちのヴァイブレーションがすごくて、全身ビリビリした。

 確か、「海の匂いがする」のサビがこんな歌詞だった。『みんな孤独、だけど一人じゃない』。貼り付いてしまった孤独を、どうやって剥がしたらいいんだろう。祥子さんの録音したのが欲しいなぁ。「We Are Love」も、メチャメチャ良かった。もう一度、聴きたい。
 


 
 私は、映像を撮ったり編集した経験は本当に少なくて、私が言える立場ではないんだろうけど、学生が作ったみたいな感じだった。特に前半部分が、祥子さんの呼吸とズレた所(と言っても、1/32くらい)で切ったり繋げられたり、小手先みたいなエフェクトが続いて気持ちが悪かった。個人の好みかなぁ。後半になるに従って気にならなくなっていったのは慣れたから?

 予告編で断片的に見ていた。予告がいいと、本編見てがっかりしてしまうけど、最終的にはすごく良かった。祥子さんのキャラクターはとても強くて、殆どのシーンが一人語りであっても、それに飽きてくる様な事はなかった。6/15の日記に、「鈴木祥子さんって、すごく剥き出しのアーティストで、ヒリヒリしてる。そこにすごくフィットするんだなぁ」って書いたけど、映画を観ていたら、ますます自分に重なってくる気がした。一緒に観ていたOも、祥子さんがどんどん私に重なって来たと言い、「途中、隣に座っている筈の康乃が、消えていくんじゃないかと思って心配になった」と意味の分からない事を言って私を笑わせた。

 映画挿入歌の「I'LL GET WHAT I WANT (超・強気な女)」。予告編を見た時、失礼ながら「変な歌」と言う印象だった。でも、映画の中で、制作風景を観、フルコーラス聴いたら、「買わねば!」という気持ちに。8/4の午前2時にamazonに注文して、8/5夕方には宅配されてた。恐るべし、amazonの流通システム。

romances sans paroles~bande originale du film~

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