ちょっと多めの予定

 貧乏性なので、私は自分のキャパよりも、ちょっと多めに予定を入れる。いつも軽く小走りをしているような感覚は、現実から逃れ続けるのにはちょうどいい速度だと思う。しかし、勿論キャパより多いのだから、いつか何処かではみ出た部分を切り落とさねばならなくなる。切り落とす時も、少しだけ多めに切り落とす。そして、その余裕でひと呼吸するのだ。

 ひと呼吸している間と言うのは、恐ろしくも嫌な事に、麻薬中毒患者の“薬切れ”みたいに、孤独感が押し寄せて来てしまう。特に昨日みたいに、実家で用事と簡単な仕事をし、JUMEAUX OBSCENESのリハがあって、着ぐるみを着て(思ったよりも苦しい)写真を撮られるバイトをした後、友達からの食事の誘いを断って、部屋に戻り、イヴェンとの準備をしながら、ちょっと先の目処が付いた時が本当に危険だった。繋がった後に落ち着かせてくれそうな、何人かの友人に電話したが、殆ど繋がらなかった。ひとりで、ぐるぐると悶えていたのだが、小一時間もしたら、落ち着いて来たよ(苦笑)。復活まで早くなった! きっと、後もう少しだ。

 そんな感じで、「やっぱ、ひとりは気楽だなー」とか言い、鼻歌の一つでも歌いながら、届いた手紙などを整理していると心配声の松村君から「大丈夫?」と電話がかかって来た。「うん。抜けた(笑)」と言ったら、「なんじゃそりゃ」と苦笑された。賑やかで楽しい事が終わる時は、顕著にアレが来て困る。どうにかならないかしら。女だからなのかなぁ〜。先刻まで、空は激しい雷雨だったけど、それも抜けたみたい。なるべく、波の少ない人生を送りたいと思っているけど、天気の様に思った通りには行かないね。

 佐川に頼んでおいたペンギンの着ぐるみが届き、広げてファブリーズして、自立型ハンガーに下げた。時々、自分のやっている事を冷静に振り返る事がある。なんなんだ、と。mixiのコミュに、「自分のことが説明し難い人」と言うのがあって、入っているのだけど、本当に私は何者なのか。否、何者でもないんだろう。だから説明する事が出来ない。自分を捜している。だけど、Wanna be族では無いよ。