PANTOGRAPHのイヴェント

 2/2はPANTOGRAPHのイヴェントが中区区役所横で横浜公園向いにあるZAIMという開場で行われたので行ってきました。……というか、直前になってスタッフになったので、2/1と2の両日会場に居ました。PANTOGRAPHは、今年の頭にstudio BIGARTから名称を変更した団体で、私が松村君や松田君と出会った所でもあり、最初のライヴの企画をやってくれた所でもあります。JUMEAUX OBSCENESにとって大変お世話になっている所なのです。それに私の企画したイヴェント『双子のゲーム』に出演してくれたタニシKちゃんと尾崎旬さんも出演するとなれば、見に行かなくては!と思っていたの。なのに、バイト先のシフトを見ると遅番。早番に希望を出したのに、中番にもならず遅番になるとは! 仕方ないので、休暇になっている人を拝み倒して、シフト交換してもらいました。1/31は姉貴の命日。ゆいちゃんと一日過ごそうと約束していたので、最初から31と2/1は休暇申請を出していたの。なので結果的に3連休を申請したという事となり、ちょっと同僚にはブーブー言われました。だって、その人の2連休を奪っちゃったので! ごめん(苦笑)。ホント酷い人だね。……ってな感じで、3連休をGETしたので、ポンチ君が前日に「スタッフが一人倒れたので、誰か手伝って!」と言う声掛けに、いい人のフリをして「いいよ」と返事したのです。


 2/1、行って先ず頼まれたのは、室内に付ける照明の傘作り。小さなショッピングバッグの底に、サークルカッターで穴を空けて、引っ掛ける用の紐を、結び直して不要部分を切るって作業。サークルカッターを使うなんてぇ……4年ぶりくらいだと思います。吉竹君が、専用のカッター台を作っておいてくれたので、楽に作業する事が出来ました。楽とは言っても35個作ったので、それなりに時間はかかりましたが。たまに手先を動かして作業をするって、体に新鮮な刺激があって良いですね。

 PANTOGRAPHのオリジナル焼き印があって、それを色々な物に捺して楽しかったです。江口君が、「僕のお尻で練習しても良いですよ」と何度も言うので、「本気か?」と思いました。そんな事したら一生言われるに間違いないので、絶対しませんよ。江口君の友人O君と言う男の子も手伝いに来てくれていました。のほほんとしていて突っ込み所満載で本当に面白かったです。笑っちゃいけないんですけど、本番の焼き印を何回か失敗して、それが本当に面白かった。奥さんが吉竹君のファンらしく、展示されている色々な作品の写メを撮りまくってる所も可愛かったなぁ。や、今回江口君(これまで、ここではTackt様と書いてましたが)の可愛さを発見した私だったのでありました。みんなに愛されている意味がしっかりと解ったよ!

 そして、2/2。午前中に、出演者スタッフ揃って打合せ。Kちゃんが、「康乃さん、わざわざ休みを取って下さったんですってね。本当に居てくれて良かったぁ」と、何年経っても、何カ国でパフォーマンスしても、ガタガタ震えながら言ってました。本番始まると別人になるのが、本当におかしいです。尾崎さんは今日もかっこよくて感心しました。本番までに必ずアスリートの身体にしてくるんですよね。素晴らしいです。「今日は笑い無しです」とキッパリと言い切ったのですが、逆にそれがツボに入ってしまいました。笑いを意識してやってるんだ、と。確かに、尾崎さんのパフォーマンスは、笑いが込み上げてくる場面がいくつもあります。でも、それら全てに於いて尾崎さんが「笑わせてやろう」と思ってやっていた事なんだ、と言う事がハッキリして可笑しいな、と思ったんです。


 軽くリハーサルをした後、私は馬車道まで歩き、さとしさんに薦められた『Restaurant 1929』@BankARTを観に行きました。13時に会場に着きましたが、お腹がそんなに減っていなかったので、見学を先にしようと 地下1階へ下りました。そこには、白井美穂さん作の色々な布をつぎはいで作られた動物達が、巨大なソファーの様に横たわっていました。私はキリンが一番気に入りました。人が全然居なくて、評論家っぽい男の人が、作品や流れている映像を見ながら、友達に解説をしていました。私も便乗して、色々聞かせてもらいました。得しました。

 1階に戻って食事をしようと、ブッフェの長テーブルに近付くと、大皿が一つ片付けられた所でした。つまり、1品食べ損ねました。がーん。や、でも、残りの2品だって美味しかったですけど。暗い畑を見ながら食べる豆は、なんだか夜の味がしました。3階ぶち抜きの高い天井、大きな窓と真っ白い壁や柱の中で、黙々と奥歯で食事を噛み、その味を味わっていると、この8年で沢山の事を独りで出来るようになっている事に気付きました。前はこうやって独りでご飯を食べる事が出来ませんでした。いつでも、誰か一緒にご飯を食べてくれる人を探して電話を掛けまくったものです。振り返るに、例えば2000年等は年間40日は、BIGARTで夕飯を食べていたのではないでしょうか? うろ覚えですけど。それから、温泉へも独りで出掛けられるようになりました。なんとなく、「大人になるってこういうことなのかなぁ」と思いました。

 入口に飾られていた丸山純子さん作のビニールを素材にした祝い花が凄く奇麗で、家に欲しかったのですが、持ち帰る用に売っている物はありませんでした。申込書はありましたが、それは会期中に会場に飾る用で、“出資”としての申し込み用紙でした。ビニールの花達は外からの光を全身で受けキラキラ輝いては、夢見るように座っていました。


 ZAIMに戻ると、会場で「アートとお金について」のレクチャーがされてました。出資者はアーティスト(個人・団体)のどこに注目して、出資を決めるのか、や、より効果的なプレゼンの仕方、タイミングなど、私には関係ありませんが(←たぶん。でも、出資者をGETして活動した方が良いのかなぁ?)、出資者を常に渇望している方々(得に大口団体)には、勉強になるレクチャーだったのではないでしょうか。アーティストってお金に無頓着な人が多いイメージだし。「アーティストって」で思い出しましたが、今発売されている美術手帳の表紙が吉竹君です。みんな見よう! 表紙なんて凄いね〜。

 それから私は他の部屋をウロウロしました。今にも崩れ落ちそうに波打った床で繋がった部屋には、北海道から沖縄まで、日本全国からアートの団体が入っている事が解りました。1/14観に行ったアート@アグネス2007を思い出しました。今、こういう企画が流行っているのでしょうか? 観る方は、試食感覚で(今気付いたんですけど、Degustationをずっとデギュタシオンって勘違いしてました。sが抜けてる(苦笑)。英語でもすぐsを読み落として、AKEさんに注意されまくってました私は、sと相性が悪いのでしょうか。……否、単なる間抜けか)お得な感じがして良いですね。

 そんな事をしているうちに、トーチカのお二人が沢山の器材と共に美味しいシュークリームを持ってやってきました(ご馳走様でした)。トーチカのお二人は、「いつも何処で買うんだろう? そして、どうやって着るのだろう?」と思うようなスタイリッシュな(私の妹が着てるみたいな)デザインの服を着ている事が多いのですが、今回も例に漏れず、難解な可愛い服を着ていました(ちょっと羨ましい)。

 テストを兼ね、控え室で初のPIKA PIKAを体験しました。その後、記録撮影をしながら、時々ワークショップに参加したのですが、私は本当に絵心が無いなぁと再確認させられました。そうとう練習しないと、描こうと思ったものは描けなさそう。それでも、本当に楽しかったです。ジュモーのVで、私が編集したものもあるんですが(SWEETSとヴァンドーム・ラ・シック・カイセキ)、その時にも感じたような、作品に成っていくと言う快感が得られました。また、機会があったら参加したいです(あ〜。またV作りたいなぁ)。スタッフ康乃として、空中に自由に絵を描いていく人達の写真を、アングルを探して撮るのは、楽しいながらも結構大変でした。一脚持って行けば良かった、と今になって後悔しています。お陰で背中全部が筋肉痛です(苦笑)。否、たまに筋肉痛になるのは良いよね。だらけた中年の背中に物凄い勢いで近付いている所なんですから(溜め息)。

 ワークショップから戻ると、Kちゃんのメイクは仕上げに差し掛かっていました。せっかくブルーの羽根付きつけ睫毛を自作してきたのに、ヴィヴィッドなブルーのアイシャドーを忘れたと嘆いていました。ショッキングピンクで代用してましたが、その色もそんなに悪くないな、と思いました。「後5分で〜す」の声に急かされて、控え室を出、尾崎さんのパフォーマンスの撮影に向かいました。

 尾崎さんのパフォーマンスは、いくつもの大きなダンボール(60×60×120cmくらい)を、壁にくくりつけて宙に浮いたオブジを作り、それに関する、そしてそれ使ったトレーニングをするものでした。白熱しました。文字じゃ説明しにくいなぁ。観てもらわないと。そしてKちゃん。節分が近いと言う事で、豆を使ったパフォーマンスと、エアウェイズ・クイズ。終始「みんな遠いのよ!」と言って、ステージ側に近付く様促してましたが、お客さんの足は重かったみたいですね(苦笑)。まぁ、そう言うのも含めて楽しもう、って感じで。パフォーマンス終了後は、床中に散らばった豆を、みんなが踏むミシミシという音にまた笑いが込み上げました。あれ、掃除するの大変そうね。

 喉が渇いたので、ドリンクカウンターで赤ワインを注文すると、女の子に「カメラの構え方がカッコイイですね」と言われました。うう、嬉しい。なんか久し振りにそんな事言われたなぁと思ったら、最近は全然写真を撮っていなかったのでした。前、よく一緒に仕事をしていたライターに、「縦位置の時、一瞬中指と薬指だけで持つ感じが良いよね」と言われ、「へぇ、私はそんな事をしていたんだ」と思った事を思い出しました。

 色々刺激を受けて、帰り松村君とご飯を食べながら、あーでもないこーでもないと好き勝手な事を考えては、賛同されたり、反対されたり、馬鹿にされたりしました。早く自分企画やりたいなー。疲れたけど、素晴らしい1日でした。