A@A アート・アット・アグネス アートフェア2007

 一つのホテル全室を貸し切り、各部屋に於いて31軒の現代美術ギャラリーがそのギャラリーらしい展示をしていくという、1/13と14の土日二日間限りの企画でした(http://www.artatagnes.com/)。

 凄く面白そうで是非行きたかったので、その後に映画を観に行く約束をしていた男の子K君に「これも観に行ってみない?」と誘ったら、「普段、美術には全く興味がないけど、誘われないと行かない様な所にも行ってみるのもいいですね。それに、ホテルには積極的に行きたいと思っているので」との返事。最初の約束よりもずっと待ち合わせ時間を早めて一緒に行く事にしました。

 飯田橋駅前に(たまにしかデートしない様な男の子には、私の指定する待ち合わせ場所を笑われる事が多いのですが、今回もちょっと笑われました。まぁ、良いじゃないですか!)遅れてやってきたK君を見て、私はちょっとビックリしました。この人、こんなに背が高かったっけ?と。これまで2回しか会った事無かったし、よく見てなかったので(苦笑)。そして、年末に見た時より、ちょっと丸くなっているようでした。「ジムに入会したんですよ。生まれて初めて、“太り気味”と診断されてショックでした」と。「半年で10kg痩せます」的な事を言っていたような気がします。私のリサーチによると、「いきなり高めのハードルを設定する人は、絶対に三日坊主」なんですが、K君はどうなんでしょうか。見るからに意志が弱そうな男の子なので、見守りたいと思います。

 アグネスホテルまで歩きましたが、表に案内の人が一人しかおらず、ちょっと迷いました。廊下も室内も、近代のイギリス風と言った感じで、均一化されているアメリカンスタイルのそれのようではなく、こぢんまりと落ち着いた雰囲気をかもし出していました。K君も、時々「この部屋なら仕事に使えそうだな」とか感想を漏らしてました。私達がアグネスホテルに入って程なく、窓の外を見ると、入口から長蛇の列が坂の方まで続いているのが見えました。時間を早めて良かった。

201 タケフロ+ミサコ&ローゼン/takefloor + Misako & Rosen
202 Gallery Stump Kamakura
203 タカ・イシイギャラリー ギャラリー ソラ/Taka Ishii Gallery gallery. sora.
204 ヒロミ ヨシイ/hiromi yoshii
205 カイカイキキ/Kaikai Kiki
206 ユカ ササハラギャラリー/Yuka Sasahara Gallery
207 白土舎/Hakutosha
208 青山|目黒/AOYAMA | MEGURO

301 日動コンテンポラリーアート/nca | nichido contemporary art
302 レントゲンヴェルケ/Rontgenwerke AG
303 東京画廊/B.T.A.P. Tokyo Gallery
304 yukari-art, Inc.,
305 ボイスプランニング/BOICE PLANNING
306 ギャラリー・ショウ・コンテンポラリー・アート/GALERIE SHO CONTEMPORARY ART
307 小山登美夫ギャラリー/Tomio Koyama Gallery
308 スカイ・ザ・バスハウス/SCAI THE BATHHOUSE

401 オオタファインアーツ/Ota Fine Arts
402 児玉画廊/Kodama Gallery
403 山本現代/YAMAMOTOGENDAI
404 ハシモトアートオフィス/HASHIMOTO ART OFFICE
405 シュウゴアーツ/SHUGOARTS
406 ZENSHI
407 ユミコチバアソシエイツ/Yumiko Chiba Associates
408 ケンジタキギャラリー/KENJI TAKI GALLERY

501 モリユウギャラリー/mori yu gallery
502 ギャラリー小柳/Gallery Koyanagi
503 ギャラリーヤマグチ クンスト バウ/Gallery Yamaguchi Kunst-Bau
504 ミヅマアートギャラリー/Mizuma Art Gallery
505 成山画廊/Gallery Naruyama
507 TARO NASU
508 ワコウ・ワークス・オブ・アート/WAKO WORKS OF ART

 色々回って観ましたが、作品の前で話をしていて、声を掛けて作品を説明して下さったのは、304号室のyukari-art, Inc., の方だけでした。冬の雨の中、紫がかった黒い羊が煙草に火を点けているオブジェを展示している所です。羊が本当に可愛くて、可愛くて、思わずにこにこしながら、じろじろ観てしまいました。手の中で輝く火が本当に暖かそうでした。

 混んでいる会場は、部屋の入口でも入場制限がされました。入場制限がされる所と言うのは、映像が面白い所とパフォーマンスのある所でした。カイカイキキで流している映像は特に(私には)面白くて、じっと座って観たかったんですが、外に並んでいる人の事を考えて止めました。

 展示されている1/4程は、露骨なエロを扱う作品だったような気がしました。私が「アートって……、って思うでしょ?」と言うと、K君は真面目な顔で「思います。僕がキャバクラなんかの紹介記事を書いて、掲載記事をプリントアウトしてお店に届けるんですけど、時々届けるのを忘れてしまって、『まぁいいや』って破るような紙の裏に書いてある様な絵が、額に入れられてるんですね。額って凄いですね」と言って、苦笑してました。私は、「そうかもね。アートをやる人は、気の強い人なんだと思うよ」と答えました。沢山の作品を観ながら、90%は作品と関係ない話をしました。

 私が本気で買いそうになったのは、ギャラリーヤマグチ クンスト バウの山内麻紀子さんの金魚の作品で、K君が本気で買いそうになったのは、ユミコチバアソシエイツ関山晃治さんの「六本木」でした。私は受付で頂いた案内図に各ギャラリーの感想を(酷評を含んで)ちょこちょこ書いていたんですが、K君は一度だけ「ちょっとペン借りて良いですか?」と言い、紙の裏に大きく“関山晃治”と書いていました。K君にも、それなりに楽しんで貰えたみたいで良かったです。


 気付くとK君はずっと自分のお腹を触っていて、かなりお腹が減っている様子でした。「お腹減ったでしょ?」と訊くと、「いえ、それ程でも」と答えました。「どうしてそんな下らない嘘吐くの?」と訊くと、「あ、なんでだろ。朝ご飯食べてないんです」と言いました。歩き疲れたし、映画が始まる時間まで1時間半あったので、ドトールでお茶をする事にしました。