『唇に』を予習しながら

 「ちぎれそうな夜も いずれ慣れ忘れてく」と言う所で、昔の恋人に冷たい言葉で捨てられた時の事を思い出した。後で、人伝えに聞いた所に寄ると、新しい恋人が出来たからだったのだけど、あの時も、よく泣いた(苦笑)。授業中でも泣いていた。

 あの失恋は、その後予想もしない、とんでもない人数を巻き込んだ、ある意味事件とも言える出来事となったのだけど、今は暖かい気持ちで思い出す事が出来る。養生の為に飛んだ高山の、三寺祭りのろうそくが照らす暖かな雪景色を、あの時の私はずっと忘れないのではないかと思ったけど、やはり忘れ始めている。