フェット・ドゥ・ラ・ミュージック2004

 飯田橋東京日仏学院で開かれた催し、Fête de la Musique 2004に、第3期スパンクスが出演するというので、見に行ってきました。

 朝、本当に信じたくないくらいの寝坊をし、ドすっぴんで六本木に猛ダッシュではせ参じた私だったので、一旦家に帰り、シャワーを浴びて(パフュームは、フランス賛辞の意味を込めて、イヴサンローランのパリ。私には珍しく3本目以上使い続けてる香りです)、化粧をし、再び家を出る時も時間が無くなってしまい走ることに(流石に9.5cmピンヒールでは、猛ダッシュ出来ないです)。

 出番の予定されていた17:50には、まだ電車に乗っていて、本当に焦ったのですが、期待通り押してくれていて間に合いました。

 1stでは、ステージから5m程の所で見ていた私の後ろに、スパンクス初見の見本と言われる方々がいらして、「ダレダレ〜?」「ケスチョョン(フランス風)」「あのおじさんキモイ〜。何香水捲いてるの〜?」「ヤダヤダ」「人気があるの?」「歌下手ーぁ」「大学の先生と生徒?」と、大騒ぎしているのが面白くて面白くて、2倍オイシイと思ってしまいました。

 あまり前情報も読まず、期待せずに見たドミニク(呼び捨てが相応しい感じ)は、初め、従妹の志乃に似てるなぁと思い、次いで若い頃の辺見マリに似てるかもと思い、最終的には、(2ndの衣装の時猛烈に)松村君妹の真知代ちゃんに似てる!と思いました(これは、松村君、松田君、新木さんも大納得)。我々がJUMEAUX OBSCENESを始める時、私は真知代ちゃんが可愛くて素敵で好きなので、最初のアー写撮影に付き合ってくれていた彼女を見ながら、「松村君と真知代ちゃんの並びの方が面白い気がするなぁ」と思っていたことを思い出しました。あれが私にとって、この日の予告編になっていようとは思いもしませんでしたが……(笑)。ともかく、親しみの持てる顔でした。

 メモとしてのセットリスト。1.麻酔 2.FAME 3.子供達はロシアで遊ぶ 4.ヴァンドーム・ラ・シック・カイセキ 5.ANGELIC 6.PHYSICAL (Vis.インターナショナル・クライン・ブルー)

 声や歌に関しては、やはり「人の曲」と言うことで、何かを強く感じたと言うことはありませんでした。イマドキな感じ。たどたどしい日本語(日本語は、全然、本当に喋れないみたい。ドミニクが「アリガトウ」と言った時、「いつそんな言葉を覚えたの?」って驚いていたので)を、どう使っていくのか、使わないのか、その辺も気になる所。菊地さんパートも、録り直されていて、その辺は「当たり前のことをやったんだな」と感じました。

 私にとって特筆すべきは、「ヴァンドーム・ラ・シック・カイセキ」。ドミニクのパートはフランス語で語られていました。先ず、前奏に食ってリーディング始まっていて、5つあるパートの1つ目の途中で、もうジビエの話になりました。そして、その部分は2〜3つ目にまで渡り(パパの台詞に思い入れがあるんでしょうね)、オイオイ。収まるのかよーと思っていたら、“マリリンモンロー”辺りで、「ヴァンド〜ム」ってサビが始まってしまい、「あははは。やっぱはみ出ちゃった! 酷い。なんて酷い曲なんだ!」って大ウケでした。あれは曲じゃないね。トラックに全然関係ない感じで喋ってるし。

 彼女が凄く楽しそうに踊ると言う所も、ドミニクをお披露目する一つの意義だったように思います。私は、もう3期で菊地さんは前で歌わないんじゃないかなぁと思いました。菊地さんの歌は好きですけども、ドミニクとはちょっと違うような……。

 1stが終わって、糸且谷さんとそのお友達の方(すみません。名前がよく聞き取れませんでした。すぐ別の話題に高テンションで入って行かれたので……)と、お話ししました。菊地ファンの「女三人寄って姦(かしま)しい」状態(苦笑)。主観的にも客観的にも、とても面白かったです。

 立っていた位置の関係で、1stではドミニクしか見えていなかったのですが、2ndではおふたりが見える位置に立てました。菊地さんの色無しの伊達眼鏡の奥に見える目が、まるで「今、裏でマリファナキメて来ました」みたいに、どよんとして真っ赤で、死にそうな感じでした。ドミニクの衣装は、ブラック系のクラブファッションという感じで、健康的な体(心も健康そう)によく似合っていました(1stは黒基調、2ndは、ピンクのベアトップに、80年代のYSLにあった感じのイメージのする不思議なマント)。

 ともかく、次のアルバムが楽しみですね。よくある感じになってしまわないで欲しいと言うのは、私の勝手な言い分です。つまり、その方向もあり得るという匂いを感じました。やっぱり我々は、3期に寄ることは無いんだろうな。ずっと、2期の雰囲気のパフォーマンスを楽しみたいと思います。3期は3期で楽しめると思いますけど。

 スパンクスの後、私達は新宿歌舞伎町の「上海小吃」へ向かいました。お店に入ると、店長の玲子さんに松田君が「お兄さん、久し振り!」と声を掛けられていました(あっ。昨日、松村君たちとイタリア料理屋に行った時、食後、デザートを何にするか迷っていたら、「松村様には、いつもご利用して頂いておりますので、盛り合わせでお持ちしますが、如何ですか?」と言われて、最高に楽しい気分になったのでした。あぁ、昨日書こうと思ったのに……)。

 「ドミニクに」と言って乾杯し、“上海から来た女”の話をしながら、上海料理を食べました。玲子さんの店は、いつ来ても暖かく、家庭的で、美味しく、ぶっきらぼうで、本当に素敵。この汚い歌舞伎町の裏路地の中のパラディゾなんだなと、勝手に思いました。「ちゃんと痩せる。本当に痩せるんだからね!」と言いながら、楽しくて、メチャクチャ沢山飲んでしまいました。夏だし。