それでも何か食べれば味がする

 泣きながら噛み付く様な生き方だ。それは、小さく弱い犬の様だ。いい年をして知恵も付いていない。何時だったか、父親に言われた言葉が思い出される。「お前は、幾つになっても3才児の様な危うさが抜けない」。

 夜中に泣いていると、隣で寝ていたSが髪を撫でてくれた。少し安心して、私はその手に噛み付いた。Sは優しく笑って、「凶暴だなぁ」と言った。

 いつだって、夜は泣いていた気がする。毎日ある事、それは日常だ。日常を新鮮に感じられるという事は幸せなんだろうか? 健忘症か? メメントか? 身体の刻印をなぞって生きているのか?

 こんな時に仕事があるのは有り難い。昨日は、半日以上ぼんやり過ごしていたが、夕方になってDTPなど。独りボヤキが大き過ぎる上に止められなくて参った。昔、誰かが言っていた。「寂しい人は独り言が多い」と。そう言えば以前、ボーイフレンドから、「君は寂しい人だったね」と言われたのに激怒し過ぎてフラれた事があったっけ。人は本当の事を言われると怒り出す生き物だよね。

 「人生を無駄にしたい」と思って生きているが、時々辛くなる。何をしていても辛いんだから同じか。