今日の夢

 松村君とデートに行く約束をしていた。私の家に迎えに来てくれた松村君は、いつもの様に優しく、でも疲れ気味に微笑んで、「康乃さんの行きたい所へ付き合うよ」と言った。私は、他に行きたい所があったのに、「教会へ神父の説教を聞きに行きたい」と言った。松村君は少し驚いた顔をしたが、「いいですよ」と頷いた。二人で町の中心にある小さな教会へ行った。神父は懺悔室にいて、ホールの中には人が居なかった。松村君が、小さな隠し部屋を見付けた。暗い室内を覗くと本が散乱しているのが、蝋燭の明かりでうっすらと見えた。松村君が、「もう行こう」と言うので、私たちは教会を出た。外は春だった。お茶が飲みたくなった。そして私は、松村君と手を繋ぎたいな、と思っていた。