「ねずみで思い出したけど」

 姪のみうに、また忘れられ、大泣きされて悲しんでいる伯母康乃です。こんばんは。

 揚げ煎餅を食べていたら手を伸ばして来たので、「みうちゃん、いくら立派な前歯があっても、まだ早いねぇ」と私が言うと、義弟が「みうちゃん、パパに似て、大きな歯になっちゃってごめんねぇ」なんて言うので、ハッと昨日のナエマの事を思い出し、「あ、ねずみで思い出したんだけど……」って、言いかけて、「ねずみの話なんてこれっぽっちもしてないでしょ!」って義弟に突っ込まれた。失礼。


 一度、日記に書いたかも知れないが、好きなエピソードなので、もう一度書く。妹の話だ。

 妹は、24年前の子年の正月、父が何処かでもらってきたねずみの人形に、「ねずたん」と名付けて、それはそれは可愛がっていた。「ねずたんのお嫁さんになる」と、かなり大きくなるまで言っていて、私と弟は、微笑ましくみていた。

 そんな妹が、四年前に結婚する時、笑いながら私に、「ちょっとねずたんに似てるでしょう?」と言った。私は、笑いながら即答した。「そういえば似てる。理想の男性に巡り逢えたんだね!」と。

 私が一人になって、妹から最初に来たメールには、こんなノロケ文句が書いてあった。

『お姉ちゃんにも、早く前歯の大きな男の人に巡り逢えますように』

 私は、泣きながらゲラゲラ笑った。


 だからさ、義弟よ。これは決して、けなし言葉なんかじゃないんだよ。絶対、伝わらないと思うけど。これからも、妹を宜しくお願いします。