『双子のゲーム2』の一日

 結局、前日夜更かししてしまい、朝はトーチカ、ナガタ君の「持っていく機材を変えようと思うので、プリンセス・プリンの画像を今のうちに受け取る事に変更したいんですけど」と言うモーニングコールで起きました(起こして貰えて助かりました)。

 シャワーを浴びて、化粧をする事にしました。前回で学んだのですが、リハーサルに入ってしまうと、オーガナイザー役の私は、化粧をゆっくりしている暇がないのです。しかも今回の衣装は、一人で着る事が出来ない上に、スカートを履いてから、ウィッグと髪飾りを付け終わるまでに20分はかかるという代物なのです(苦笑)。マニキュアを塗って、口の中で歌を歌いながら家を飛び出した時に、指輪をごっそり忘れた事に気付きました。指輪のないジュモーなんて無しでしょう。仕方ないので、レースの長手袋を購入しがてら、何件か店を回りました。


 会場で。リハは恐ろしい程順調に、巻き巻きで進んでいきました。尾崎さんは、特にリハーサルらしいリハーサル時間は必要なく、逆に東京地震のパフォーマンスは(把握していなかったというのもあり)予想外にリハを必要とするもので、開場時間に掛かりそうになってしまい、ヒヤヒヤしました。とはいえ、私的には時間に余裕があったので、顔を書き足したり出来ました。出演者が減ったからかな。

 開場時間は、前回同様、お手洗いで迎えました。胡摩ちゃんに作って貰った衣装を着せて貰い、ウィッグを付け大きな花飾りを髪に付けた自分を見て、暫く笑いが止まらなくなりました。だ、誰だ、お前は! とても、来年年女を迎える人がする格好ではありません。自分で自分に心底呆れました。その格好でウロウロしていると、サロンで冥加さんに「貴方、なんて格好で彷徨いてるのー!」と声を掛けられました。そうは言われましても……。ジュモー・オプセーヌのパフォーマーとしての康乃は人形なのです。人に言われた服を着るものなのです。

 入場したテラッチが持ってきてくれたヴィデオカメラが、ちゃんと回っている事を確認してから、最初のコンタさんのネタへと進んで貰いました。「世界一危険な腕立て伏せ」です。デモンストレーション的にやった、2本指で腕立て伏せをしている所で「おお〜っ!」とどよめきが起きました。本番はそれからなのに! 「本日、台所で採れたばかりのゴキブリです。まだ、足が動いています」の台詞は、本当に背筋が寒くなる思いでした。

 そして、東京地震。去年やった打合せの時に「イモニケーションもやったらいいのに」と提案したからか、それも歌って貰いました。with MC ナイス君。ラッパーって、独特の発声で喋るんですよね。そこも面白いな、と思いました。イモニケーションでは、東北雪崩(ナイス氏)と三陸つなみ(かおりさん)のユニットになっているなんて、本当に芝居っぽいなぁと思いました。殆ど喋らない“つなみちゃん”、でもポーズは決まってる。 クール!な感じが可愛かったです。そして、急にテンションMAX、キレ気味で入ってくるヒグチさんは凄かった。笑いました。MCでは、早速旬な某IT企業を取り上げたりしてイイ感じでした。ダンスでは“J”の手をうねって曲げる所が特に好きでした。アンニュイなアンコールもツボに来ました。もう一回歌うのかと思わせて置いて、起きあがって芝居に入るだけで、歌わない所も憎いです。

 尾崎旬さんが初めて披露するパフォーマンス。正式なタイトルは伺ってないので分かりませんが、立体を作るもの。私は楽屋でペンギンを着せたりしていたので、見られませんでした。尾崎さんが捌けて、松村君が下げてきた立体作品を見ると、「よくもこの時間の短さでこれを作ったなぁ」というオブジェが出来上がっていました。台座にはサインも付いてました。「これ、受け付け横に飾ったらどうですか?」と提案したんですが、あの後、置かれたんでしょうか? 確認してませんが。


 私達、ジュモー・オプセーヌの番になりました。全体の事ばかりに気が行って、自分たちのパフォーマンスの流れについて、全然把握出来てなかったし、伝えようと思っていた事の全部を伝えないままにステージに立つ事になったのですが、まぁ、そういうのも含めて、コンセプトの一部なので良いような気もします。やった曲は、「こんにちは世界」「インターナショナル・クライン・ブルー」「ANGELIC」「フロイドと夜桜」「Physical」「普通の恋」でした。

 曲順の関係で、香水を2曲目で撒く積もりで居たのですが、最前列に居らした方が、「香水を撒いて下さい。持ってきたんです!」と言って差し出すので、大変ビックリしました。みんな、香水中毒なんだなぁ。私も香水がないと、過ごせないと思う時間がありますもの。

 「ANGELIC」の間奏に入ってから、急に松村君が「踊るの止めよう」と言い出すので、「何でだよー」と掴みかかってやろうかと思いましたが止めて、笑いながらマイクで「(松村を)裏で殴っておきます」とだけ言いました。後で友達に、「ねーねー。殴ったのー?」と訊かれましたが、勿論殴りました。溝落ち辺り(笑)。嘘です。

 「インターナショナル・クライン・ブルー」と「普通の恋」は、マニア向け(苦笑)に初期ヴァージョン、レコーディングはされなかった歌詞で歌って居るのですが、今回は今までで一番SPANK HAPPYを知っている人が居たと言う事もあり(途中で毎回やる挙手アンケート。「SPANK HAPPYを知ってる方」を、今回は「SPANK HAPPYのライヴに行った事のある人」に変えたのですが、20人くらい居たねぇ!)、歌詞の事を指摘する人が何人も居て、しめしめと思っていました(暗い!)。

 「フロイドと夜桜」の前に、ケープを外して貰う予定だったのに忘れられていたので(ついでに2番の歌い出しを間違えたり……)、「Physical」の前で外す事になりました。今回、振付の事はかなり真剣に考えていて、「コツが見つかったんだよー」と、コウノさんと松村君に言ったら、「嬉しそうだね」と笑われました。そして「普通の恋」は、真剣に踊り過ぎて、息が切れてしまいました。

 比較的古い曲をメインにやったので、後ろに私達の昔の写真が出た為か、「松村さんは短い髪の方が良いと思う」とか、「ステージでは、どうしてあんなに胸元をはだけてるの?」とか言われて、ちょっと返事に困りました(苦笑)。

 「間に合いませんでした。ハイ。美女に花を」と言って、下郷さんが白いカーネーションの花束をくれました。きっと、康乃馨(カーネーション)と言う意味ですね。流石、下郷さんです。有難うございます。


 尾崎さんの「押し売りコーチ」。少し予想はしてましたが、開場から「ハードゲイHG?」との囁きが聞こえました。時の人ですしねぇ。服を着たり脱いだり、メッセージを見せつつも、結果的に筋肉を誇示するようなポーズを取る尾崎さんをスポットで追うのは不思議だな、と思いました。尾崎さんのを、皆さんはどう感じられたのか、とても気になっています。

 コンタさんの「オモナガヒデオ - ヤクザの親分編」。私は、オモナガが好きなのです。あのほのぼの感と哀愁がいいです。コンタさんは、あんなにスタイルが良いのに、オモナガの衣装を着ると、急に老人のようになるから不思議です。ウエストに何か巻いてるのかしら。

 それから、プリンセス・プリン。この1年くらい、「とにかくMCを!」と強くリクエストして、ちょっと前から、MCに(再)取り組みをしているようです。苦悩しながらも、ほのぼの話していて、イイ感じだと勝手に思ってます。タケモンが、得意の口笛でテルミンの真似を“振付き”でやっていて超笑いました。アレ、すごく良いですねぇ! CDやDVDもチョコチョコ売れたようで、良かったです。

 最後の締めに、コンタさんの「白鳥の湖」をお願いしました。全身白タイツに金色の水鉄砲を股間に付け、チャイコフスキーの「白鳥の湖」に合わせ、踊りながら水をかける、と言うネタです。ごく少数の人には、「最前列と花道側に居ると弄られるよ! 水が掛かるかも!」と言って置いたのですが、大半の人にはサプライズです。すみません。キャーキャーという声と爆笑の渦が巻き起こりました。最前列ど真ん中に、物静かで強面なインド料理人Hさんがいらして、思いっきり弄られるわ、水を掛けられるわされてました。私は、コンタさんの動きに合わせてカメラを動かしていたんですが、笑いでブレまくってしまいました。すみません。

 パフォーマンスとパフォーマンスの間の大人な感じのDJをSIMONさんに、VJをトーチカさんにやっていただきました。トーチカさん、あれから半年しか経ってないのに、なんか作品スゴイ増えてる感じしました。見てるタイミングなのかも知れないですけど、可愛いのが多かった気がします。

 前回、「最後にみんなで挨拶とか、改めて告知をする時間があった方が良い」的な事を言われたのを思い出したので、急遽、みんなを集めて挨拶をして貰う事にしました。でも、何故かみんな私にお礼を言うので困りました。これじゃ、私がみんなにお礼を言わせる為に集めたみたいじゃないかー。そんな風に思うのは、考え過ぎなんでしょうか。

 まぁ、みんな楽しんで貰えたようで良かったです。収支は結局マイナスだったんですが(苦笑)。敗因は、前回の会場費が平日で、今回は休日料金だったと言う事と、会場の料金システムが、急遽(1週間前に)大幅に(本当に大幅に)変わった為でした。前回は、ドリンク料に対してもバックが付いたんですけど、今回から付かなくなったのです。前から、原宿で元店長をやっていた経験から、「この料金設定で儲けが出るのかなぁ」と思っていたので、ある意味納得の料金改正でしたが……。でも、1週間前じゃ、入場料を急に引き上げられないじゃないですかー(苦笑)。


 前回も程良く厳しいコメントをくれたTGVハルヲ氏が、今回はかなりキツ目のコメントを私にくれました。大変よく分かります。でも、そのハードルに一旦挑戦する為には、やはり、自分企画のイヴェントでは無理だと思うんです。なので、是非是非次のライヴはハルヲさんの企画に乗せていただきたいです。頑張ってやりますので、宜しくお願いします。

 と言うのもそうですが、次は人の企画で、純粋に自分たちの事だけ考えてやりたいです。今回は、雑念も多かったし(グッズが出来上がらなかった、と言うのも含め)、1秒も冷静には成れなかったです(否、どんな状況にいても、私は冷静にだなんて成れた事が一度もないかも知れないですが)。一部の方に「康乃は、会場やイヴェント趣旨にウルサイ。凄く選んでいる」と言われますが、そんな事はないですよ! ただ、「無力○善寺は生理的に駄目」って言っただけだと思うんです。そんなの全然ハードルが高くないでしょう? どうでしょうか。ブッキングとか? ……やった事無いですけど。


 話は前後しますが、松村君がMC中にした“気の利いた話”、トルクメニスタン共和国。今、ちょっと調べててみましたが、すごいですねぇ