一周忌

 実際に姉貴が亡くなったのは、1月31日だったけど、昨日1月22日は彼女の一周忌でした。話したい事が沢山あって、でも話してはいけなくて、私は勝手に私の中で堪えていました。だから、どうしても『双子のゲーム2』ではあの曲をやりたかったのです。でも私は、このイヴェントを企画する時、松村君やその他の何人かに「今回のイヴェントは私のものではなく、出演者全員の、そしてお客様の為に開く物にする。当日、姉貴の事は口にしない」と約束しました。そんな事は、みんな忘れてしまったかも知れないけど、でもあの話をする私は、とても暗く自虐的で、あまり人に見せられたような状態ではないのです。それに、1回だけならまだしも、2回もそんな事を言い出すようなイヴェントに、みんなを付き合わせる訳にはいかないのです。

 だから私は、私の心の中でだけで別の歌っていました。当日の早朝、見に来る事の出来ないと言う友人から、こんなメールが届きました。「ある種の沈黙は、歌にとても似ているでしょう。いつでも、小さな笑顔を忘れないで。離れていても、あなたの笑顔は私の中に生きています」と。そして、私は一日笑って過ごしました。

 青い部屋の深いブルーの中で、私の心は空気の中に紛れていた様な気がしましたし、更に色濃く縁取られていたような気もしました。対局にあるものは本当に近くにあるようで、同じものなんじゃないかというくらいの錯覚に陥ります。いつでも、「静かでいたい。穏やかでいたい」そう想いながら、私は爆音の中へ、渦の中へと飛び込んで行ってしまうのです。