頑張ってます

 リハでした。スタジオに入ると、もう松村君の雰囲気が全然違うのです。遅刻したのを凄く怒っているのかと思って「お、怒ってる?」と訊くと、「否、風邪を引いてしまったかもしれない所為かも……」と。土曜の夜から、急に具合が悪くなったそう。

松「この寒さは、このスタジオが寒い所為なのか、それとも悪寒なのか」
康「わかんない。でも、私も寒い。特に手が」
松「私もずっと手が冷たい」
康「うん。私も今、手だけが痛いくらい冷たいよ」
松「エアコンをつけましょう」
康「うん。このスタジオには、手だけを冷やす妖怪がいるかも知れないね」
松「妖怪?」
康「そう。呪い」
松「あぁ、湖の側で殺された人が、手の先だけが水に浸かっていた為に、妖怪となって、人々の手を冷やしてる、とか」
康「そうそう。そーゆーやつ」
松「でも、このスタジオの下に湖があったかどうかは定かでは無いのだけど」
康「否、たぶん、地底で繋がってるんだと思う。湖に」
松「地底で?」
康「ほら、よくネスコと地底で繋がっている湖があって、ネッシーが別の所にも現れるって話、聞くでしょ?」
松「……よくは聞かないね」

 と、大変具合の悪い雰囲気の会話をしていたのです。で、松村君の具合が悪くなっていたのは、実際は妖怪の所為ではなく、A型インフルエンザのウィルス(私が子供の頃、ウィルスの事は「ヴィールス」と呼ばれていたと思うんですが、いつから表記が変わったんでしょう?)にやられたと言う事が、帰宅後に分かりました。熱を計ったら39℃だったらしく、慌てて病院に行ったそう。「手洗いうがいを必ずして下さい」と、メールが来ました。スタジオでも「伝染る、近寄るな!」とか、そーゆー言い方していて、バイ菌扱いするのがちょっと……でした。善かれと思って言ってるんだろうけどもねー。お陰様で、今の所、私は(馬鹿が幸いして)元気でピンピンしています。寝不足なので眠くてたまらないですけど。

 そんな調子なので、休み休み、休み休みやりました。リハの方はと言うと、振付けはだいぶ体に入って来た“気が”します。相変わらず、「Physical」の腰の動きが出来なくて、みっともない感じなんですが……。

 この間松村君に、「ANGELIC」の間奏をワルツと書いたのをコメント欄で指摘され、会ってもまた「ワルツじゃないでしょう。4拍子なのに」と言われました。まぁ、その通りなんですけどー。社交ダンスと書けば良かったんだな。ダンスのステップ、“どっちが先に踏み出すか”について、お互いに「そっちが先!」と言い合っていたんですが……、ネットで調べても、上手に調べられなくて……。本屋に行こうかな。それとも『Shall We ダンス?』を観ようかな。高校生のたすくくんが写ってるらしいし。

 んで、両パターン練習したんですが、全然上手く行かないのです。「ダメだ! 出来ない。全然間に合わないよー! もう、無理だから練習しなくていいかな」と一瞬投げ出してしまおうと思ったんですが、「もうちょっと努力の跡が見られないと、我々の場合は笑えるレヴェルにならないから駄目でしょう」と言われ、もうちょっと頑張りました。本番までに松村君の体調が戻らなかったら、当日まで練習出来ないんですが、大丈夫なのかな。……一人で練習するか。

 と、そんな感じで、真面目に練習していました。私達が利用していたスタジオは、エレヴェーター前にあって、全ての利用客に見られる所だったのですが、その日は、よく笑う客が多かったらしく、超笑われました。鏡越しに見てる人達の事はこっちからも見えてるのに、ガン見。振り返ると、笑いながら目を逸らしたりして……。「凄い笑ってるよー」「だって可笑しいでしょう。我々は」「そ、そうか」「何で、私達が変だって事を忘れたり、今気付いたような風に、時々なるの?」「否、忘れちゃうんだよね。……でも、本番も笑って貰えると良いね」とかとか。


 段々、自分(達)の事しか考えられなくなって来て、オーガナイザーとして、如何なものかと思うんですが、そんな中でも、一応、プリンセス・プリンに「当日流す映像は、最近発売された音楽入り写真集DVDからにしたいですか?」とか、一応、他の所の事も考えたりしてますよ。