タケモン版 Physicalを聴かせてもらう

 タケモンの家の前で、Dr.SUSHIさんに会う。この間の、路上生活者のお祭りを見た衝撃を伝えると、つるつるピカピカの福々しい顔を輝かせて笑い、「そう?」と言った。「俺、ホモンズを困らせるのが好きだから、楽しかった」なんて言っていたが、そういうDr.SUSHIさんだって、あの中でパフォーマンスしてたじゃないか……、と思う。本当に大きな人だなぁと思う。

 そして、インフルエンザから復活したばかりのタケモンちにお邪魔して、殆ど出来上がっているPhysicalを聴かせてもらう。

 いつでもそうだが、元曲が頭にあるうちは不思議な感覚がするもの。オリビアニュートンジョンやポール・モーリアのPhysicalを聴いたり、全く違う曲を聴きながら、行きつ戻りつ何度も聴く。

 タケモンの提案で、前奏の一番最初の部分にアレクサンドル・グラズノフの『バレエの情景』が入っているのだけど、これは本当にニクイ演出(ミーニング)だと思う。タケモンにとっての中尊寺は、未だにチュチュを着ているんだな、と思った。今更ながら、私も見たかったと思う(でも、中学生だった私には無理過ぎる)。

 聴きながら、どんどん変えて貰って、取り敢えず流して聴く。「明るすぎやしないか?」とタケモン。「お別れ会用の曲なんだから、こんなにふざけた感じで良いの?」って。私は、「悲しいのは当たり前なのに、悲しい曲をやるのは辛い」と言った。でも、当たり前の事をやるべきなのかと、今ちょっと思っている。