SWEET SERENITY/鈴木祥子

 鈴木祥子さんの新譜を買った。私は、鈴木祥子さんのCDをこれまで8枚持っていて、これが9枚目になった。9枚のうち殆どが貰ったもので、実はこれが初めて定価で購入した作品だった。「きっと凄く好きになるよ」って言われてきたけど、本当にビックリするくらい凄く好きになった。
 


 
 このアルバムを知る事になったのは、知人のブログに映画「無言歌」Romances sans parolesの予告が紹介されていたからだった。予告の映像の中で、「父親に24〜5年会ってなかったんですけど、死ぬ前の2日間だけ逢えました」とか「男はみんな父親の代わりだった」という様な事を言っていたんだけど、そうやって意識し合いながら25年会わないってどういう事なんだろうなぁ。1年前だったか、母親に「お父さんに裏切られた日の事を、思い出しても泣かなくなるまで、放っておいて欲しい」と言った。父親に、「おまえは幸せにならなくていい。真実を求めなくていい。無理な事、無駄な事をするな」と言われた時の事を思い出すと、まだまだ結構泣けてしまう。いつ思い出になるんだろう。私が父親に最後に会ってから、まだほんの1年半しか経っていない。父親は、先月68才になった。

 『ローズピンクのチーク (my mama said, so)』と言う曲の『”結婚”はお葬式のときに、となりに居てくれるひとがいること。』と言う歌詞の所で、「ぅわー」と思ってしまった。私の祖父が亡くなった時、姉貴が亡くなった時、元夫はとなりにはいなかった。元夫の父親が亡くなった時、私は呼ばれなかった。やっぱり、私は“結婚はしていなかったんだな”、と思った。別に、“お葬式のときに、となりに居てくれるひと”なんて居なくてもいいけどね。確かに、姉貴の葬式で、ゆいちゃんが居てくれて本当に心強かったけど……。

 鈴木祥子さんって、すごく剥き出しのアーティストで、ヒリヒリしてる。そこにすごくフィットするんだなぁ。

SWEET SERENITY

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