1990年と2007年の5月28日

 今日は姉貴の誕生日だった。この日が来る度に、1990年の事を思い出す。この年の姉貴は、年末に流行語大賞を貰うくらいメチャクチャ売れていた。私は、ゆいちゃんと誕生日プレゼントを持って姉貴の家に……バイトに行った(苦笑)。祐天寺の駅から徒歩10分くらいの距離にあった、ペールローズ色の3階建てのマンションへ近づくと、何処からともなく薔薇の香りがした。「あぁ、春薔薇の季節だもんな」そう思いながら、マンションの階段を上がると、その香りはどんどんと強くなって行き、扉の前の今正に部屋の中に運び入れられようとして並べられた箱の奥から流れ出てくるものだった。

 「わー。××××の薔薇じゃん。これ、1本3000円はするよー。○さん、奮発したなぁ!」。今来たばかりの箱を開けながら、姉貴は嬉しそうに、でもちょっと申し訳なさそうに言った。L字型で30平米くらいのリヴィングは、1/5以上が薔薇に埋め尽くされ、壁も殆ど見えなくなっていた。「もう、飾る所が無いね」。私がそういうと、「うん……。リクエストするんじゃなかったなー」と姉貴は苦笑して言った。

 仕事を始める前、姉貴は私に赤い薔薇を、ゆいちゃんには確かピンクの薔薇を両手いっぱい持たせて、写真を撮ってくれた。女の子はみんな薔薇が好き。18歳の私は、この薔薇に囲まれた部屋でうっとりとしていた。

 今日の姉貴の誕生日に合わせて、私は姉貴の娘に入学祝いを送った。薔薇……ではない。和牛を1万円分(苦笑)。本当に私は可愛くないねー。これでもだいぶ、女っぽくは成って来たと自覚してるんだけど……。あぁ、女に成る前に、おばさんに成ってしまったかも(苦笑)。


 仕事の後、バレエ+ジャズダンスの教室の見学に行った。これまでの統計上、月曜日は滅多にバイトにもならないし、友達に夕食に誘われたりもしないので「良いかな」と思い……。バレエには足の形に番号がふられているのだけど、それが分からない。「これ覚えなきゃ話にならないな」と思ったが、教室には下手な人も居て(とは言え、私よりはずっとずっと上手だけど!)ちょっと安心したので、取り敢えず、来週に体験入学を申し込んで来た。身体が動くか心配だけど。