GROOVE DROP SP＠月見ル君想フ

　水曜日、「金曜、暇ならライヴ行こうよ」って感じに提案されて、Ｔ君＆Ｎ君と外苑前の月見ル君想フに行った（こういうのを“両手に花”、と言うのだろうか？　男の子だから……、何だろう）。本当は、「ライブ前に甘い物でも〜」とか言っていたのに、私は到着が開場ギリギリになってしまった。「絶対座って見たい」と言うふたりに並んで貰ってたのですぐに入れた。

　（ええ。自分で認めてしまおう）今日の私は大変機嫌が悪く、Ｔ君のオレンジ・ファッションを酷く言ったり（ヘアスタイルは褒めたが）、Ｎ君の身体特徴を嫌な言い方で褒めたり（言いながら「これは嫌がらせだよ」って注釈した）、そしてそれを止められない自分に、地味に嫌な感情を抱いていた。

　待ちながら、Ｔ君が芝居のチケットを出して「康乃さんも、これ、『うしおととら』観に行きなよ。行った方が良いよ」と言ってきた。「原作読んでないけど、行っても面白い？」と訊いたら、「いいや。面白くない。この芝居は、漫画を全部読んで、尚かつ、この作品を愛してないと面白くないんだよ」と言うと、Ｎ君が「俺のあげるよ！　全33巻！　外伝付けてもいいよ」と嬉しそうに言った。愛してるのに、なんであげるのかと訊くと、「ふたり合わせて５セット持っているから」との事。「文庫本も出たから欲しいんだよね。でも、本を捨てたくない！」とか言う。狂っている。そんなに面白いのかー。「じゃ、頂戴」と言ったけど、会った時に手で持って帰るとしたら大変だな。

　喉も渇いていたし、お腹も減っていたので、ビールを２杯とゴーヤチャンプルーを注文した。モヤシがいっぱい入っていたが、量はかなりあった。味もそこそこ美味しい。Ｎ君が「それ何？」と訊くので「ゴーヤチャンプルーだよ」と言ったら、「知らない。食べてみたい」と言う。何という24歳だ（偏見か）。Ｔ君が「Ｎ君はきっと駄目だよ」とニヤニヤ見守る中、Ｎ君は小さなゴーヤを、箸で更に小さくちぎろうとしてゴチャゴチャやっていた。「イイから、食べてみなよ」と促すと、Ｎ君はちょっと食べて、もの凄い（可愛い）顔をして「だ、駄目だ！」と言った。面白かった。ゴーヤチャンプルーを頼んで良かった。

　最初のアクトは、HARCOさん。名前を読んで女性かと思っていたら、韓流俳優の様な顔をした好青年だった。まぁ、ロマンス語圏ではOで終わる名前は男だし、不自然でもないか。キーボードでの弾き語りだった。２台をＬ字に並べ、１台はリズムボックス代わりの様な使い方をしていた。その場で演奏した音を、ミキシングの機械で何重にも重ね、リピート再生し、そこに演奏と歌を乗せる。面白い……のか、よく分からない。曲によっては、iPodから音を出しているのもあった。全部、iPodではいけない理由が分からなかったなぁ。素人なので。最後に、NISSAN ALTOのCMソングという歌を歌った。凄く幸せな歌だった。もし、幸せが誰かの手の中にあるのなら、どうか、その人から離れませんように、そう思ったら悲しくなって泣けた。

世界でいちばん頑張ってる君に

　次は、Ｔ君＆Ｎ君の好きな直枝政広さん（カーネーション）。Ｔ君は、彼の歌が始まる前に、愛ある毒の説明を私にしてくれた（最近、私達の間で流行っている言葉、元○○など）。あまりに酷く言うので、どんな人かと思ったけど、そんなに酷く言われるほどの事はなかった（失礼だな）。引き目、野村ヨッチャンに似てるなぁと思った（それも褒め言葉ではないな）。演奏中、ふたりが（特にＮ君が）酷い事を言いまくっていた。面白いんだけど、酷すぎるので書けない。歌は、凄く切なかった。色々な事が思い出され辛い気持ちになった。帰り道、ちょっと文句言ったけど、直枝さんの歌は痛くて素晴らしかったと思う。協調できるところは少なかったけども……。

　最後は、eriちゃんや松村君に評判の良い、Chocolat & Akito。Ｎ君がAkitoさんの事を、『鈴カステラ』と呼んでいて、超ウケた。Chocolat & 鈴カステラ。美味しそうなユニットだと思う。Chocolatさんの話し言葉は、吉川ひなのちゃんみたいなんだけど、歌うとすぅっと通る声で美しかった。２人の声の相性も良くて素敵だった。MCもほのぼのしつつも毒があって面白かった。Akitoさんは、「MCでさだまさし谷村新司二を目指す」と言い、高い（？）志を見せていた。実際よく喋った。アンコールで、Akitoさんの別のバンドでの曲をやった。全然違う雰囲気、泥臭い感じで良かった。とは言え、私はChocolat & Akitoの方が好き。もっと言うと、Chocolatさんのソロでもいいな（調べたら色々あるなー）。

　駅までの道、ふたりは「Chocolat & Akitoの間も、ずっと直枝の事考えてた」「俺も俺も〜」と言い合っていた。愛されてるなぁ。いいなぁ。ハーゲンダッツにも寄らず、お茶もしなかった。渋谷駅で井の頭線とJRと東横線に別れたのは、ちょっと寂しい感じだった。